混同されやすいうつ病と適応障害【違いを知っておこう】

婦人

抑うつ気分の持続

相談

抑うつ気分で分かれる病気

現代社会はストレス社会となっています。長時間労働とも相俟って、うつ病を発症するなどメンタルヘルスに不調を来す人が増えています。うつ病については社会の認識や理解が深まっていますが、それ以外のメンタルヘルス不調についてはあまり知られていない状況にあります。メンタルヘルス不調それぞれの違いを理解せずに、うつ病で一括りにしてしまう傾向もあります。しかし、メンタルヘルスの病気は、どれをとっても様々な症状により病気の種類が分けられるのと同様に、うつ病とは違いがあるメンタルヘルス不調があります。特にその違いがわかりにくいものの一つとして、適応障害があります。適応障害は、精神面、行動面における症状で、社会で円滑な活動を送ることが阻害されている状態を言います。日常生活や対人関係に支障が出るほどの不安感、心配などの症状が出ますし、意欲の低下や食欲不振、倦怠感もありますので、うつ病と同じ症状と言えます。しかし、行動面において、大きな違いがあります。抑うつ気分になるところまでは同じですが、適応障害の場合、抑うつ状態が原因である不安や焦り、怒りによって気持ちが不安定になりますが、これが攻撃的に現れます。声を荒げたり、怒り出したりなどの行き過ぎた攻撃的な攻撃が出たり、突然泣き出したりという状況が見られます。うつ病の場合、罪悪感が非常に強く出ますが、適応障害の場合、自分の攻撃的な行動によって引き起こされた事態に対して罪悪感を持たない場合が多いです。また、一番大きな違いは、抑うつ気分の持続性にあります。うつ病の場合は、ストレスの原因から離れても抑うつ気分が持続しますが、適応障害の場合は、ストレスの原因から離れると抑うつ気分が緩和されます。このため、例えば仕事がストレスの原因であるならば、仕事が休みの日には、気分が晴れて趣味を楽しむこともできます。うつ病の場合は、休日であっても抑うつ気分が継続しますので、趣味を楽しむどころではありません。趣味はもちろんのこと、これまで楽しんで行っていたことを、やろうという気持ちにすらなりません。適応障害は、うつ病とは違いがありますが、その前兆であるとも捉えられ、うつ病に移行してしまう可能性がかなり高くなっています。メンタルヘルス不調の場合、まずストレス環境から離れることが共通的に大事なことですが、社会生活を送る以上、ストレス環境から離れることは難しい状況にあります。そこで、本人の、ストレスに対する適応力を高めることも一つの方法です。ストレスに対する受け止め方は人それぞれで異なります。適応障害の治療には、抗うつ薬などが用いられることもありますが、認知行動療法により治療することもできます。認知の歪みを正すことによって、行動を元通りに戻そうというものです。自分がさらされているストレスの状況をあるがままに客観的に把握し、それに対してどのような対応を行うことが適切かを把握してもらうことで治療していきます。誤って判断されると、その対応も誤ったものになりますので、まずは専門医の診察を受け、正しい診断を受けることが重要です。